寝る前のピラティスで身体を整え、リラックスした夜を過ごすには?
「もっと睡眠の質を上げたいな…」とのお悩みはありませんか?
しっかり疲れを取って朝気持ちよく目覚めたい方は、寝る前のピラティスをおすすめします。
本記事では、高知でピラティスインストラクターとして活動している私が、寝る前に行うピラティスの効果や簡単なエクササイズを紹介し、忙しい日常の中でも無理なく取り組める方法を提案します。
スッキリとした朝を迎えるために、ピラティスを取り入れてみましょう。
寝る前のピラティスが身体に及ぼす影響
寝る前のピラティスは自律神経やホルモン、血流などを改善し、睡眠の質改善に役立ちます。
本章では、寝る前のピラティスがどのように身体へ影響を及ぼすのか解説します。
副交感神経の活性化によるリラックス効果
夜のピラティスでは、ゆったりとした動きと深い呼吸で副交感神経が優位になり、リラックス効果があります。
ピラティス後のリラックス状態は、心地よく入眠しやすい身体へと変化しているため、就寝前のストレスも軽減します。
夜のピラティスは身体を落ち着かせ、翌朝もスッキリ目覚めるための準備につながるでしょう。
血流改善と代謝向上で疲労回復をサポート
ピラティスによる血流改善は代謝も促し、身体の疲れを取り除きます。
特に日中の活動で蓄積した疲労感や身体のこわばりが緩むため、身体が自然とリフレッシュされ、疲労回復の効果が期待できるでしょう。
夜のピラティスで身体全体の血流が良くなることで、翌朝の倦怠感も少なくなり、スッキリとした目覚めになります。
深部体温の低下が入眠を促進
ピラティスによる軽い運動後には体温が一時的に上昇しますが、その後ゆっくりと体温が下がります。
この時身体の中では、手足の血管が拡張し、皮膚温度が上昇することで体内から熱が放散されるため、結果として体温が低下するという現象が起こっています。
体温の低下は脳や身体を休める状態に働くため、自然とリラックス効果がもたらされ、それにより夜間の寝つきが良くなるでしょう。
ホルモンバランスの調整と睡眠ホルモンの分泌
ピラティスによって副交感神経が優位になることで、ホルモンバランスを整える効果もあります。
睡眠前にホルモンバランスが整うことで、「睡眠ホルモン」と言われるメラトニンの分泌がスムーズに行われ、睡眠が安定します。
定期的なピラティスでホルモンバランスが整うと、夜の休息も安定し、健康的な睡眠習慣へとつながるでしょう。
ピラティスが睡眠改善に効果がある理由
ピラティスが睡眠改善に効果を及ぼす理由は、多岐にわたります。
本章では、生理学的な観点も含めて解説します。
副交感神経が優位になることで入眠がスムーズに
ピラティスはゆったりとした呼吸と動作を特徴とし、これが副交感神経の働きを優位にします。
副交感神経が優位になることで心拍数が低下し、身体全体がリラックスして自然と入眠しやすくなります。
また、ピラティスを夜のルーティンに取り入れることで緊張が緩み、寝つくまでのストレスも和らぐでしょう。
血流改善がもたらす身体のリラックス効果
ピラティスエクササイズにより血流が促進されることで、体温が安定し眠りの質が向上します。
これは、自律神経系と血液循環のメカニズムによるものです。
血液は体内で熱を運ぶ役割があり、血流が良いと酸素と栄養が全身の細胞に行き渡り、代謝が活発化して熱産生が促され、体温が安定します。
また、脳の視床下部が外部温度に応じて血管を調節し、深部体温を理想的な36.6~37.0℃に保つ働きもあります。
そのため寝る前の適度な血流促進は身体を温め、入眠準備が整いやすくなるのです。
特に夜のピラティスはデスクワークなどで固まりがちな身体をリラックスさせ、就寝時の余計な緊張を和らげる効果も期待されます。
筋肉の緊張を和らげて深い睡眠へ
ピラティスの特徴である全身をほぐす動作によって、肩や腰などの緊張しやすい部位がリラックスします。
筋肉が緩むと血流もスムーズになり、酸素供給が増えることで身体が休まり、入眠時の安心感が増します。
寝る前に軽く身体をほぐすことで、深い眠りにつながるでしょう。
セロトニン分泌の促進による睡眠ホルモン生成
ピラティスを行うと、脳内でセロトニンが分泌され、これは「幸せホルモン」としても知られています。
セロトニンは心を落ち着ける効果があり、夜にはメラトニンの生成を促します。
メラトニンは「睡眠ホルモン」として知られ、身体が入眠しやすい状態へと導くことは可能です。
この内容からも、夜のピラティスによって心身を整えられることが理解できるでしょう。
セロトニン分泌がもたらす心理的安定感も、ピラティスが安眠習慣につながる理由の一つです。
寝る前におすすめのピラティスエクササイズ
寝る前に行うピラティスは、仰向けの状態でリラックスしながら行えるエクササイズがおすすめです。
無理なくリラックスした状態で行えるため、寝落ちしても問題ありません。
ここでは、寝る前に最適な仰向けでできるピラティスエクササイズを2つご紹介します。
ヒップリフト(ブリッジ)
ヒップリフトは腰周りや太ももの引き締め効果があり、寝る前に身体を整えるのにぴったりです。
1.あおむけになり、膝を立てて足を肩幅に開く。両腕は身体の横に置いてリラックスさせる
2.息を吸いながらお尻をゆっくり持ち上げ、肩から膝まで一直線になるように意識する
3.息を吐きながら、お尻をゆっくりと床に戻す
4.これをゆっくり10回繰り返す
エクササイズの際は、リラックスした呼吸とゆっくりとした動作が大切です。
疲れて寝落ちしても無理がかからないポジションで、心地よくエクササイズできます。
ニーディングチェストストレッチ
ニーディングチェストストレッチは腰や背中をほぐし、股関節の柔軟性を高めるエクササイズです。
1.あおむけに寝て、両膝を胸に引き寄せる
2.両手で膝を抱え込み、軽く前後に揺れるように動かす
3.息を吸って背中を伸ばし、息を吐きながら腰をリラックスさせる
4.1~2分間、ゆっくりと揺れる動作を繰り返す
このエクササイズは腰や背中の緊張をほぐすだけでなく、ストレッチ効果も高いです。
疲れた身体をリラックスさせながら、眠りに導きます。
スパインツイスト
スパインツイストは背骨の柔軟性を高め、肩や腰の緊張をほぐすエクササイズです。
夜のリラックスタイムに取り入れると、身体全体の開放感が増し、寝つきが良くなります。
1.仰向けに寝て、膝を立てて足を揃える
2.両腕を横に広げ、手のひらを上に向けてリラックスさせる
3.息を吸いながら、膝を片側にゆっくりと倒す。このとき、肩が浮かないように意識する
4.息を吐きながら、膝を元の位置に戻す
5.反対側も同様に行い、左右交互にゆっくり10回繰り返す
背骨をねじる動作により腰や背中の筋肉がほぐれ、疲れが和らぎます。
リラックスした呼吸とゆったりとした動きが、心地よい眠りへとつながるでしょう。
寝る前にピラティスをする際のポイント
ピラティスは元々交感神経を優位にする働きがあるため、寝る前にピラティスを行う際は注意が必要です。
本章では、注意点について説明します。
激しい運動は避ける
夜のピラティスは「身体を休めること」を目的とし、無理のない動きを重視しましょう。
激しい運動は交感神経を活性化させてしまい、逆に寝つきが悪くなります。
寝る前のピラティスではゆったりとしたペースで行うことで、身体がほぐれ、心が落ち着き、スムーズな入眠が促されます。
運動後にリラックスした時間を作る
ピラティスを行った後は、深呼吸をするなどのリラックス時間を設けることが大切です。
ピラティス直後は体温が上がり、そのままの状態では寝つけません。
身体をリラックスさせる時間を取ると副交感神経が優位になり、心身が休まるため、質の良い睡眠が得られます。
ピラティス後スムーズに入眠するためにも、リラックスタイムを考慮して寝る前のピラティスに取り組みましょう。
食後すぐの実施は避ける
食後すぐのピラティスは消化に負担をかけてしまうため、夕食から1〜2時間空けて行いましょう。
食後すぐの身体は、リラクゼーション効果よりも消化にエネルギーを費やします。
そのため、食後すぐにピラティスをすると胃腸へ負担がかかり、身体がリラックスしづらくなるため、少し時間を空けてからピラティスを行うと、心地よく運動できます。
寝る前以外の睡眠改善のためにおすすめのピラティスの時間帯
ピラティスで寝る前以外に睡眠の質を高める時間帯は、午前中から夕方にかけてです。
朝や昼間にピラティスを行うと、交感神経が程よく活性化し、日中のエネルギー消費や活動が促されます。
特に朝のピラティスは、身体を目覚めさせ姿勢改善や基礎代謝の向上にもつながるため、日中元気に過ごせます。
また、午後の早い時間帯に取り組むことで身体が適度に疲れ、夜には自然な眠気が訪れるでしょう。
一方、夜のピラティスは交感神経の刺激を抑えるため、リラックスを重視したエクササイズがおすすめです。
軽めのストレッチやゆったりとした呼吸を中心に行うと、寝る前でも身体がリラックスモードへ切り替わり、良質な睡眠につながります。
寝る前のピラティスはダイエットに効果があるの?
ピラティスは元々ダイエットに効果があると言われていますが、寝る前のピラティスもダイエットに影響を及ぼすのでしょうか?
本章では、ダイエットとの関係性を含めて解説します。
寝る前のピラティスが代謝を促進する理由
夜ピラティスをすると、深層筋を活性化することで基礎代謝が上がり、寝ている間の消費エネルギーを増やす効果が期待できます。
適度な運動を取り入れると体温が上がり、その後体温が緩やかに下がることで自然に深い眠りへとつながることを前述しましたが、これにより成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンには脂肪分解や代謝促進の効果があるため、寝る前のピラティスはダイエットに有効といえるでしょう。
インナーマッスルの活性化で引き締まった体型に
ピラティスではインナーマッスルを鍛えるため、普段の運動では意識しにくい筋肉まで効果を発揮します。
インナーマッスルを鍛えることで、体幹をしっかり支えられるようになり、日常動作でのエネルギー消費も促すため、基礎代謝が高まります。
これにより、無理な運動や激しいトレーニングなしでも、引き締まった体型を目指せるでしょう。
特に寝る前にゆったりとインナーマッスルを刺激することで、翌朝は締まったボディラインが期待できます。
むくみ解消でシュッとしたボディラインに
夜のピラティスは血流やリンパの流れを促進し、むくみを軽減させる効果もあります。
デスクワークや長時間の立ち仕事で滞りがちな血流が改善されることで、寝ている間にむくみが取れやすくなり、翌朝スッキリした状態で目覚めることができます。
特に脚や腰周りのストレッチや呼吸法を意識すると、より血流が改善し、むくみの解消につながるでしょう。
質の良い睡眠が脂肪燃焼をサポート
寝る前のピラティスがリラックス効果と深い眠りを促すことで、成長ホルモンが十分に分泌され、身体が脂肪をエネルギーとして燃焼します。
質の良い睡眠は、身体の調子を整え代謝を最適化するため、ダイエット効果も感じやすくなります。
睡眠中の脂肪燃焼がスムーズに行われることで、運動だけに頼らない健康的な身体づくりが可能です。
ストレス解消効果で過食を防止
ピラティスは、ストレス解消にも非常に効果的です。
過剰なストレスは食欲を刺激し、間食や過食につながりやすいですが、ピラティスで心と身体をリラックスさせることで、ストレス食いの予防にもつながります。
特に夜にリラックスした状態で就寝すると、翌朝の食欲が正常にコントロールされ、無理のない食事制限ができるようになります。
マシンピラティスは睡眠を改善する効果がある?
マシンピラティスは、リフォーマーやキャデラック、チェアなどの専用器具を使うことで、通常のピラティスよりも効率よく身体のバランスが整います。
これにより、全身に余計な力が入りにくく、リラックスした状態でエクササイズが行えるでしょう。
特にリフォーマーを使ったマシンピラティスは、スムーズな動きと負荷調整がしやすく、深層部の筋肉が程よくほぐれることで、睡眠の質を改善します。
さらに、マシンピラティスは負荷を細かく調整できるので、身体に無理ないアプローチできる点が特徴です。
初心者や体力に不安のある人でも、自分に合った強度で体幹を鍛えながら全身のバランスを整えられます。
初心者が本格的にピラティスをするならマシンピラティスがおすすめ
寝る前のピラティスでリラックス効果を実感できたら、より本格的に始めたいと思いませんか?
その場合は、マシンピラティスがおすすめです。
マシンピラティスでは、インストラクターが個々のレベルに合わせた指導を行うため、初心者でも安心して続けられ、より引き締まった身体作りを目指せます。
寝る前のピラティスに限らず、日常的にピラティスを取り入れることで、睡眠だけでなく生活全体の質が向上します。
まとめ
寝る前のピラティスはリラックスしながら身体を整え、質の高い睡眠を得るために有効なエクササイズです。
筋肉を無理なくほぐし体幹を鍛えることで、心身のバランスが整い、翌朝の目覚めもスッキリとします。
自宅で簡単にできるエクササイズを紹介しましたが、慣れてきたらマシンピラティスにも挑戦してみましょう。
高知市のピラティススタジオ「アルブライト」では、マンツーマン指導にてマシンピラティスエクササイズを提供しています。
まずは体験レッスンに参加して、マシンピラティスを体感しながら健康的なライフスタイルを始めてみましょう。
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執筆者情報
上田翔太(アゲタショウタ)
国家資格:理学療法士を保有。
高知県内にてピラティススタジオ・パーソナルジム2店舗運営している。
健康〜美容目的の方まで年間2000件以上のパーソナルレッスンを実施している。