【理学療法士監修】妊娠中にピラティスは行ってOK?またその効果とポイントを解説
妊娠期間中、女性の体は劇的な変化を迎えます。その中で、健康を維持し、出産に向けて準備を整えるために「マタニティピラティス」が人気を集めています。
「妊娠中にも運動したいけど、ハードな運動はちょっと怖い」
「妊娠中にピラティスってやっていいの?」
「マタニティピラティスをやるうえでの注意点って何?」
今回はマタニティピラティスとは何か、その効果、行う際の注意ポイントを高知市でピラティスインストラクターとして活動している私が解説していきます。
妊娠中に行うマタニティピラティスとは?
米国産科婦人科学会では、合併症がない妊娠をしている女性であれば妊娠中に有酸素運動や筋力調整運動を行うことが推奨されるとしています。
様々な運動があるなかで、ピラティスは呼吸や姿勢に重点を置き、筋力や身体の柔軟性のバランスをとっていきます。その中でも妊娠中・出産・産後に役立つように妊婦さんの心と身体のケア・強化・調整に特化して設計されたのがマタニティピラティスです。
マタニティピラティスのメニューは豊富にあり、マット・マシンを用いてその人にあったメニューを行うことができるため、妊娠中の身体の変化に合わせて運動を行えるようになっております。
妊娠してピラティスはいつからできる?どれくらいやればいい?
実施する際は、必ず医師の許可が必要
マタニティピラティスを行う前に必ず医師の許可を確認しましょう。
合併症がある場合は、運動の種類・強度が制限されたり、運動を行うことが禁止される場合もあるため、注意しましょう。
妊娠中は、日々身体が変化していきます、少しでも気になることは医師に相談するようにしましょう。
いつからできる?頻度は?
マタニティピラティスは医学的・産科的合併症がない妊婦であれば、
妊娠16週目以降から出産直前まで行うことが出来ます。
自然流産のほとんどが妊娠12週未満に発生しており、リスクがほとんどなくなるのが16週目以降と言われているためです。
医学的、産科的合併症がない場合、週3回、少なくとも1回30-40分の運動を推奨(産前・産後)されています。
妊娠中の身体の変化
妊娠は約240日の期間で体が変化してきます。
一番変化が大きいのが「体重」です。
体重による変化によって姿勢・筋肉・身体へのストレスに影響を与えていきます。
その中でも
- 体重が増えて腰にかかる負担が大きくなる
- 背中が硬くなり、猫背になりやすい
- お腹が大きくなるため、反り腰になりやすい
- 激しい運動ができないため、運動不足になりやすい
体重による変化によって姿勢・筋肉・身体へのストレスに影響を与えていきます
などがあります。
ピラティスはインナーマッスルを鍛えることで、姿勢改善を図ることが出来ます。
インナーマッスルを鍛えることで、出産が楽になり、産後の回復も早くなります。
妊娠中にピラティスを行うのメリット
過剰は体重の増加を抑える
マタニティピラティスはインナーマッスルを鍛えることで代謝が上がるため、過剰な体重増加を抑える効果が期待できます。
赤ちゃんの成長により妊娠週数を追うごとに体重が増加し、動きづらさから運動不足に繋がりさらに体重が増加しやすくなる傾向です。
ただし、太りすぎは母体にも赤ちゃんにも良い事ではありません。
妊婦の適正体重増加の目安は、標準体重の人で10-13㎏と言われています。
とはいえ今まで運動習慣のなかった人が、急に運動の消費カロリーだけで過度なダイエットをするのはリスクがあるでしょう。
妊娠中の体重管理はあくまでバランスのいい食事・適度な運動を基本に、医師の許可を得てから行って下さい。
腰痛が楽になる
妊娠によって体重が重くなるにつれて姿勢が崩れていきます。
反り腰になることが多く、腰への負担が増してきてしまいます。
さらにリラキシンというホルモンが骨盤周りの靭帯を柔らかくしていくため、腰や骨盤にかかる負担が大きくなっていきます。
マタニティピラティスでは硬くなった筋肉をほぐしながら、姿勢を支えるためのインナーマッスルを鍛えることで腰痛を楽にしていきます。
出産、産後の骨盤回りのサポートができる
マタニティピラティスでは下記の筋肉を鍛えることでスムーズな出産と産後の身体のサポートをすることができます。
- 骨盤底筋
- 腹横筋
- 多裂筋
- 横隔膜
これらの筋肉を鍛えることで、出産がしやすくなったり、産後の尿漏れが軽減します。
さらに分娩時には、股関節周囲の柔軟性も必要であり、ピラティスは硬くなった筋肉をほぐして柔軟性を改善することができるため、よりスムーズな出産をしたい方にはおススメです。
尿もれトラブルを減らす
マタニティピラティスには「骨盤底筋」を鍛えるエクササイズも取り入れられています。
妊娠中から産後にかけてホルモンバランスの変化によって尿もれが起こりやすくなってきます。
尿を我慢するときに力をいれるところが骨盤底筋であり、骨盤底筋を働きやすくすることで尿漏れを起こしやすくなります。
メンタル面の回復
妊娠・出産後は非常にメンタルが不安定になります。
マタニティブルーズという症状は30-50%の方が経験するため、メンタル面のサポートがとても重要になります。
ピラティスを行うことで、自律神経を整えることができ、ストレスや不安・不眠などといった症状を軽減することができます。
妊娠期間中の精神的な負担を軽くするためにも、リラックスできる時間を作ることが大切です。
妊娠中におけるピラティスの禁忌
マタニティピラティスを行うにあたり、妊娠中に避けるべき動きについて解説します。
- 転倒の危険・腹部の圧迫のある運動は避ける
- 骨盤がゆるい時期に過剰なストレッチをしない
- 出血や腹部の痛みなどがある際にはエクササイズをしない
マタニティピラティスを行う運動は安全で、負荷が少なく、安心して行えるものをやっていくことが大切です。
そのため、グループレッスンではなく、パーソナルレッスンでマタニティピラティスの知識があるインストラクターが在籍しているスタジオでのレッスンをおススメします。
まとめ
マタニティピラティスは、インナーマッスルを鍛えることで腰痛や尿漏れといった妊娠中の悩みを解消する効果が期待できます。
さらに自律神経を整えることで、メンタルが安定し、前向きな気持ちになることができます。
無理なく行えるマタニティピラティスで妊娠中の悩みや不安を解消し、充実したマタニティピラティスを送りましょう。
マタニティピラティスを体験してみたい方は、ぜひ高知のピラティススタジオ「アルブライト」までご相談ください。
関連記事
執筆者情報
上田翔太(アゲタショウタ)
高知市でパーソナルジム・ピラティススタジオを2店舗運営。理学療法士の国家資格を持ち、年間2000件のレッスンを担当。美容・健康面において幅広い経験・知識を持つ。